頭のセンスを磨く
こんにちは。
突然ですが、この問題が解けるでしょうか?
問題
ゴルフの大会に参加したあなたは、第一打で素晴らしいスイングを見せてボールは250ヤード(575m)も真っすぐに飛びました。
ところが、そこに紙袋が落ちていて、ボールは不幸にもその中に転がり込んでしまいました。
袋に手を突っ込んでボールを取り出せば、ペナルティをとられ優勝の可能性はなくなります。
紙袋ごと打ったとしても、うまく飛びません。
さて、いったいどうしたらいいでしょう?
<解答時間2分間>
答え合わせ
この問題は私が10年ほど前に買った『頭がよくなる55の法則』という本の中で紹介されていた問題です。
この問題を生徒や講師に出してきましたが、時間内に正解した子は1人だけでした。
その子は、3年くらい前まで講師として働いていたT君で、30秒で答えを出しました。
ちなみに、彼は塾の講師を卒業し、現在は数学の教員として働いています。
この子の解答は一つの例ですが紹介します。
解答
”紙袋を燃やしてしまえばいい”
解説
この問題を定義すれば、どんな問題になるのかを考えることが大切です。
×問題が解けない子の場合
どうしたら手を触れずに紙袋からボールを取り出すことができるかという問題
○問題が解ける子の場合
どうしたら次のショットをうまく打つことができるかという問題
答えが出せたT君の思考は
①うまく打つためにはどうしたらいいか?
⇓
②まず、ペナルティをとられない方法で障害をなくさなければならない
⇓
③障害になっている袋は紙製のものだ
⇓
④その紙をどうしたらなくすことができるか?
⇓
⑤燃やせばいい
という思考回路をたどっています。
この問題を見て「ルール違反だ!それはずるい」と思う方もいるかもしれません。
しかし、それは”手を触れずに紙袋からボールを取り出すこと”にこだわった人たちの思い込みです。
頭のセンスを磨くには、何が問題で解決しないといけないかを明確にすることが必要です。
そして、どうにかして工夫の余地はないか、違った方法で目的に達成できないかを模索する(思案する)ことで、頭脳は活発に働きます。
たとえ正解に到達できなかったとしても、真剣に考えるだけでも脳のセンスは磨かれます。
最後に
このゴルフボール問題は、まだまだたくさんの正解があります。
学校教育や試験勉強ではマルをもらえる答えはただ一つです。
しかし、社会に出て、ビジネスの現場などでは正しい答えはいくつもありますし、そこにたどりつくルートもたくさんあります。
正解が一つしかないというのは思い込みです。
子ども達には問題にぶつかったら、いろいろなアプローチをして、自分なりの正解を出すように育ってもらいたいと思っています。
それができるようになれば、脳のセンスが磨かれ、自然とテストの結果も上がってくると信じています。