愛知県公立高校入試の合否判定
こんにちは。
先日、『内申点』の記事を3回に分けて書きました。
その時に、愛知県公立高校入試の合否判定(高校内順位の決定)について触れたので、今回は、その補足をしていきたいと思います。
過去の記事はこちら
推薦選抜の合否判定
これは非常にシンプルです。
各高等学校は、中学校長から提出された推薦書、調査書等の書類の内容、面接等の結果を資料として、推薦選抜における合格者を決定します。
推薦選抜では、学力検査の成績は資料として用いません。
『愛知県教育委員会webサイト』原文ママ
合否判定とその後の流れ
愛知県公立高校入試は、まず、推薦選抜における合格者を決定します。
その後、推薦入試で不合格だった生徒は、一般選抜の生徒たちと戦うことになります。
学力検査の成績は、推薦選抜では選抜資料となりませんが、推薦選抜で不合格の場合は一般選抜では対象となります。
つまり、推薦選抜を受けると、志望校合格のチャンスが1回増えます。
このように、推薦選抜の合否判定の流れは分かりやすいです。
次は、一般選抜の流れを説明します。
一般選抜の合否判定
合否判定は、第一志望・第二志望を問わず、受検した高校・学科内での校内順位によって決まります。
内申点(調査書評定)と学力検査得点の、それぞれの順位が合格基準(今回だと300位以内)にある人は「A」、それ以外の人を「B」とします。
そして、
「A」に入っていれば、問答無用で合格!
「A」に入っていない場合は、再度計算をして、「B」の中で総合得点の上位のみが合格します。(傾斜配点を実施する学科については、今回は省略)
少し長くなりますが、例を挙げて説明します。
愛知県立簿府高校(Ⅲ型)の例
受験者数(推薦・一般の合計)660名
推薦入試合格者60名
一般入試合格者300名
生徒①サスケ君
内申点36(150位)・当日点80点(100位)
生徒②ボブ君
内申点33(250位)・当日点75点(150位)
生徒③ケン君
内申点40(10位)・当日点60点(450位)
生徒④ユミさん
内申点30(400位)・当日点100点(10位)
*順位は推薦合格者を除いた600名中
step1
内申点(調査書)だけで順位をつける
内申点は2倍などはせず、全ての受験生600人の中で、何位なのかを出します。
step2
学力検査(筆記試験・当日点)だけで順位をつける
得点は1.5倍などはせず、全ての受験生600人の中で、何位なのかを出します。
step3(重要!)
step1、step2の両方の順位が、300位以内の生徒を「A」とし、その他の者を「B」とします。
今回の4人の場合、サスケ君と、ボブ君は「A」枠に入っているので、問答無用で合格となります。
ケン君とゆみさんは「B」枠になるので、学校裁量によって再計算され、校内順位が決定します。
実際に統計をとると、「A」枠での合格者は、だいたい70%くらいになるので、今回は「A」枠で200人合格したとします。
そうすると、残り100人の合格者を学校裁量で計算することになります。
- 「B」枠から合格者を決めるとき、その計算方法を学校ごとに選択できる制度
★「学校裁量」で決める
学校裁量には以下の3つの種類があります。
愛知県立募府高校はⅢ型です。
残りの100人の合格枠を400人で争う形になります。
ちなみに、この400人は、
推薦選抜不合格者+一般選抜「A」以外
ということです。
●ケン君の場合
内申点40・当日点60点
内申点×2+当日点×1.5=170点(300位)
●ユミさんの場合
内申点30・当日点100点
内申点×2+当日点×1.5=210点(50位)
上位100位以内に入れば合格なので、残念ながらケン君は不合格、ゆみさんは合格となります。
まとめ
「A」枠で問答無用で合格するためには内申点(調査書)が必要です。
また、内申点(調査書)が足りなくても、「B」枠で合格するという戦略で、筆記試験に全力を注ぐ考え方もあります。
子どもひとりひとりに合わせた戦略で受験に向かっていくべきなので、アドバイスはいつでもさせていただきます!
どちらにせよ、内申点も当日点もあるに越したことはないので、日ごろの努力が大切です。
ごまちゃん
推薦入試を受けて落ちた子、結局みんな一般入試で受かっている気がする・・・
確かにそうです
おばら
推薦を受けるような生徒は調査書の得点が高く、当日点で多少点数を落としても総合点で「A」枠や「B」枠に入ることが多いのが理由です。
おばら